野球のスーパースターであるイチロ選手が先週、現役引退を決意されました。そして、その引退会見には意味深い言葉、考えさせるメッセージがたくさん盛り込まれました。あまりにも感心させられた自分は、忘れないために、イチロ選手の言葉を書き留めました。
== 今、その決断に後悔や思い残したところは?
今日の球場の出来事、あんなもの見せられたら後悔などあろうはずがありません。もちろん、もっとできたことはあると思いますけど、結果を残すために自分なりに重ねてきたこと、他人より頑張ったということはとても言えないですけど、自分なりに頑張ってきたとははっきりと言えるので。これを重ねてきて、重ねることでしか後悔を生まないということはできないのではないかなと思います。
== 子供達にメッセージをお願いします。
野球だけでなくてもいいんですよね、始めるものは。自分が熱中できるもの、夢中になれるものを見つければそれに向かってエネルギーを注げるので、そういうものを早く見つけてほしいと思います。
それが見つかれば、自分の前に立ちはだかる壁にも、壁に向かっていくことができると思うんです。それが見つけられないと、壁が出てくるとあきらめてしまうということがあると思うので。いろんなことにトライして。自分に向くか向かないかよりも、自分の好きなものを見つけてほしいなと思います。
== ファンの存在はイチロー選手にとってどうだったか。
【中略】ある時までは自分のためにプレーすることがチームのためになるし、見てくれる人も喜んでくれるかなと思っていたんですけど、ニューヨークに行った後ぐらいからですかね。人に喜んでもらえることが一番の喜びに変わってきた。その点で、ファンの方の存在なしには、自分のエネルギーはまったく生まれないと思います。え、おかしなこと言ってます、僕? 大丈夫ですか?(会場笑)
== イチロー選手が貫いたものとは。
野球のことを愛したことだと思います。これは変わることはなかったですね。おかしなこと言ってます、僕? 大丈夫?(会場笑)
== 野球に費やしてきた膨大な時間、これからそういう膨大な時間とどういう風に付き合いますか。
ちょっと今はわからないですね。ただ、たぶん明日もトレーニングをしていますよ。それは変わらないでしょうね。僕はじっとしていられないから。動き回っているでしょうね。だからゆっくりしたいとか全然ないですよ。全然ない。たぶん動き回ってます。
== 一番我慢したものは。
難しい質問だなあ。僕、我慢できない人なんですよ。楽なこと、楽なことを重ねているという感じなんですよね。自分ができることを、やりたいことを重ねているので我慢の感覚がないんですけど、とにかく体を動かしたくてしょうがないので、こんなに動かしちゃダメだっていうことで、体を動かすことを我慢するというのはたくさんはありました。それ以外はストレスがないように行動してきたつもりなので。
== イチロー選手の生き様でファンの方に伝わっていたらうれしいということはありますか。
生き様というのは僕にはよくわからないですけど、生き方と考えれば、さきほどもお話しましたけれども、人より頑張ることなんてとてもできないんですよね。
あくまで測りは自分の中にある。それで自分なりにその測りを使いながら、自分の限界を見ながらちょっと超えていくということを繰り返していく。そうすると、いつの間にかこんな自分になっているんだという状態になって。
だから少しずつの積み重ねが、それでしか自分を超えていけないと思うんですよね。一気に高みに行こうとすると、今の自分の状態とギャップがありすぎて、それは続けられないと僕は考えているので。地道に進むしかない。進むというか、進むだけではないですね。後退もしながら、あるときは後退しかしない時期もあると思うので。でも、自分がやると決めたことを信じてやっていく。
でも、それが正解とは限らないわけですよね。間違ったことを続けてしまっていることもあるんですけど。でも、そうやって遠回りをすることでしか本当の自分に出会えないというか、そんな気がしているので。そうやって自分なりに重ねてきたことを、今日のゲーム後のファンの方の気持ちですよね。ひょっとしたらそんなところを見ていただいていたのかなと。それはうれしかったです。そうであればうれしいし、そうじゃなくてもうれしいです。あれは。
== 子供の頃からの夢であるプロ野球選手になるという夢を叶えて、今、何を得たと思いますか。
成功かどうかってよくわからないですよね。じゃあどこから成功で、そうじゃないのかって、まったく僕には判断できない。だから成功という言葉は嫌いなんですけど。
メジャーリーグに挑戦するということは、大変な勇気だと思うんですけど、でも成功、ここではあえて成功と表現しますけど、成功すると思うからやってみたい。それができないと思うから行かないという判断基準では、後悔をうむだろうなと思います。できると思うから挑戦するのではなくて、やりたいと思えば挑戦すればいい。その時にどんな結果が出ようとも後悔はないと思うんですよね。
じゃあ、自分なりの成功を勝ち取ったところで達成感があるのかというと、それは僕には疑問なので。基本的には、やりたいと思ったことをやっていきたいですよね。
== イチロー選手の小学校の卒業文集が有名で、「僕の夢は一流のプロ野球選手になることです」と冒頭に書いていますが、(子供時代の自分に)どんな言葉をかけたいですか。
お前、契約金で1億ももらえないよって(会場笑)。夢は大きくとは言いますけど、なかなか難しいですよ。ドラ1の1億って掲げてましたけど、全然遠く及ばなかったですから。ある意味では挫折ですよね。それは。こんな終わり方でいいのかな。なんか、最後はキュッとしたいよね。
== 昨年、マリナーズに戻りましたけれども、その前のマリナーズ時代、「孤独を感じながらプレーをしている」と話していました。その孤独感はずっと感じながらプレーしていたんでしょうか。それとも、前の孤独感とは違ったものがあったのでしょうか。
現在はそれはまったくないです。今日の段階でまったくないです。
それとは少し違うかもしれないですけど、アメリカに来て、メジャーリーグに来て、外国人になったこと、アメリカでは僕は外国人ですから。このことは、外国人になったことで人の心を慮ったり、人の痛みを想像したり、今までなかった自分が現れたんですよね。この体験というのは、本を読んだり、情報を取ることができたとしても、体験しないと自分の中からは生まれないので。
孤独を感じて苦しんだこと、多々ありました。ありましたけど、その体験は未来の自分にとって大きな支えになるんだろうと今は思います。だから、つらいこと、しんどいことから逃げたいというのは当然のことなんですけど、でもエネルギーのある元気のある時にそれに立ち向かっていく。そのことはすごく人として重要なことではないかと感じています。お腹すいた。しまったね、最後。
いやあ、長い時間ありがとうございました。眠いでしょう、みなさんも。じゃあ、そろそろ帰りますか。
P/S①
イチロ選手の苗字はなんと、鈴木だそうです。「鈴木一郎」、なんか普通のふつううって感じですよね。「鈴木一郎」は一杯いそうですが、カタカナで書く「イチロ」というのはこのイチロ選手だけですね。まさにこの名前はイチロ選手のブランドになります。
以前、イチロ選手への印象は生まれつきの(野球への)才能と賢さだと思いましたが、ある日、あるテレビ番組を見て考えが変わりました。プロ選手の裏には絶えず絶えずの努力の積み重ねの人だと分かりました。ただ野球が好きなだけでなく野球を極めたいという思いで学校では誰よりも朝から遅くまで黙々と練習する日々を送りました。(名前は普通かもしれないですけど)この人の努力さは普通ではありませんね。まさに↓の式に当てはまるものです。
P/S②
イチロ選手のことを思うと、いつも大学時代の一人の同級生のことを思い出してしまいます。中村くんという東大の生研に一緒にいた子です。研究室が違ったけど、学科が一緒なので、色々なイベントで一緒にやってきた。中村くんは背が高く、顔がなんとイチロ選手に良く似ていた。彼はそのことをいつも自己紹介でネタにしたのです。FBのアヴァタも自分の写真ではなく、イチロ選手の(かなり賢い)写真を載せたのだ。恐らくイチロ選手が好きで、そして自分がイチロ選手に似ていることを誇りらしく思ったようだ。
ですが、その中村くんはイチロ選手のこの引退会見を見ることができなかった。
私が就職して1年目の時、ゴールデンウイークの辺りかな、突然同じ研究室の後輩から「中村さんのFBを見てください」という連絡がきました。なんだそれ?と思ったのですが、FBで中村くんを探した。
「中村⚪︎⚪︎の父です。息子が自分の意思でこの世を絶つことを選びました。理由を知りたいので、何か心当たりがあればどうぞご連絡ください。」
との一つのつぶやきでした。
あまりにもショックでした。2ヶ月前にまだみんなで一緒に卒業写真を撮ったばっかりなのに。なんで???
自分の中に質問がいっぱい湧いてきたのですが、お父さんとご家族にはもっと混乱が一杯だったに違いない。自分の息子、ようやく東大という日本一の大学から学位をとったのに、なぜ???
落ち着いて考えたら、自分の中には中村くんの行動に少し心当たりがありました。その年、生研で卒業した同級生の中は中村くんを除き、みんなが良いところに内定をもらっていました。私のような外国人留学生でも比較的給料が良い会社に就職することができた。中村くんの研究室にはその学年で3人いましたが、残りの二人は大手会社に就職することが決まった。中村くんだけが卒業式を控えてもどの会社からも内定をもらえなかった。卒業式ではみんなでワイワイしたつもりだが、中村くんは恐らく心の奥には将来への不安、孤独感、また自分の無力感を抱いたと(今になって私が)思う。中村くんとは仲よかったと言ってもそれほど親友ではなかったことを言い訳にして、自分が中村くんの寂しさに気づこうともしませんでした(自分のことで頭が一杯でしたので、他人のことなんて考える余裕がありませんでした)。
そういう心当たりがあったにも関わらず、中村くんのお父さんに連絡する勇気がありませんでした。ただ自分の勝手な思いかもしれないから、その思いでさらにご遺族を苦しめるなんて、とてもできなかった。その晩はただただ中村くんのFBを見て、誰かがお父さんのつぶやきに書き込むのを見守っていただけでした。今思うと、その時の自分は本当に情けませんでした。。。
== 今、その決断に後悔や思い残したところは?
今日の球場の出来事、あんなもの見せられたら後悔などあろうはずがありません。もちろん、もっとできたことはあると思いますけど、結果を残すために自分なりに重ねてきたこと、他人より頑張ったということはとても言えないですけど、自分なりに頑張ってきたとははっきりと言えるので。これを重ねてきて、重ねることでしか後悔を生まないということはできないのではないかなと思います。
== 子供達にメッセージをお願いします。
野球だけでなくてもいいんですよね、始めるものは。自分が熱中できるもの、夢中になれるものを見つければそれに向かってエネルギーを注げるので、そういうものを早く見つけてほしいと思います。
それが見つかれば、自分の前に立ちはだかる壁にも、壁に向かっていくことができると思うんです。それが見つけられないと、壁が出てくるとあきらめてしまうということがあると思うので。いろんなことにトライして。自分に向くか向かないかよりも、自分の好きなものを見つけてほしいなと思います。
== ファンの存在はイチロー選手にとってどうだったか。
【中略】ある時までは自分のためにプレーすることがチームのためになるし、見てくれる人も喜んでくれるかなと思っていたんですけど、ニューヨークに行った後ぐらいからですかね。人に喜んでもらえることが一番の喜びに変わってきた。その点で、ファンの方の存在なしには、自分のエネルギーはまったく生まれないと思います。え、おかしなこと言ってます、僕? 大丈夫ですか?(会場笑)
== イチロー選手が貫いたものとは。
野球のことを愛したことだと思います。これは変わることはなかったですね。おかしなこと言ってます、僕? 大丈夫?(会場笑)
== 野球に費やしてきた膨大な時間、これからそういう膨大な時間とどういう風に付き合いますか。
ちょっと今はわからないですね。ただ、たぶん明日もトレーニングをしていますよ。それは変わらないでしょうね。僕はじっとしていられないから。動き回っているでしょうね。だからゆっくりしたいとか全然ないですよ。全然ない。たぶん動き回ってます。
== 一番我慢したものは。
難しい質問だなあ。僕、我慢できない人なんですよ。楽なこと、楽なことを重ねているという感じなんですよね。自分ができることを、やりたいことを重ねているので我慢の感覚がないんですけど、とにかく体を動かしたくてしょうがないので、こんなに動かしちゃダメだっていうことで、体を動かすことを我慢するというのはたくさんはありました。それ以外はストレスがないように行動してきたつもりなので。
== イチロー選手の生き様でファンの方に伝わっていたらうれしいということはありますか。
生き様というのは僕にはよくわからないですけど、生き方と考えれば、さきほどもお話しましたけれども、人より頑張ることなんてとてもできないんですよね。
あくまで測りは自分の中にある。それで自分なりにその測りを使いながら、自分の限界を見ながらちょっと超えていくということを繰り返していく。そうすると、いつの間にかこんな自分になっているんだという状態になって。
だから少しずつの積み重ねが、それでしか自分を超えていけないと思うんですよね。一気に高みに行こうとすると、今の自分の状態とギャップがありすぎて、それは続けられないと僕は考えているので。地道に進むしかない。進むというか、進むだけではないですね。後退もしながら、あるときは後退しかしない時期もあると思うので。でも、自分がやると決めたことを信じてやっていく。
でも、それが正解とは限らないわけですよね。間違ったことを続けてしまっていることもあるんですけど。でも、そうやって遠回りをすることでしか本当の自分に出会えないというか、そんな気がしているので。そうやって自分なりに重ねてきたことを、今日のゲーム後のファンの方の気持ちですよね。ひょっとしたらそんなところを見ていただいていたのかなと。それはうれしかったです。そうであればうれしいし、そうじゃなくてもうれしいです。あれは。
== 子供の頃からの夢であるプロ野球選手になるという夢を叶えて、今、何を得たと思いますか。
成功かどうかってよくわからないですよね。じゃあどこから成功で、そうじゃないのかって、まったく僕には判断できない。だから成功という言葉は嫌いなんですけど。
メジャーリーグに挑戦するということは、大変な勇気だと思うんですけど、でも成功、ここではあえて成功と表現しますけど、成功すると思うからやってみたい。それができないと思うから行かないという判断基準では、後悔をうむだろうなと思います。できると思うから挑戦するのではなくて、やりたいと思えば挑戦すればいい。その時にどんな結果が出ようとも後悔はないと思うんですよね。
じゃあ、自分なりの成功を勝ち取ったところで達成感があるのかというと、それは僕には疑問なので。基本的には、やりたいと思ったことをやっていきたいですよね。
== イチロー選手の小学校の卒業文集が有名で、「僕の夢は一流のプロ野球選手になることです」と冒頭に書いていますが、(子供時代の自分に)どんな言葉をかけたいですか。
お前、契約金で1億ももらえないよって(会場笑)。夢は大きくとは言いますけど、なかなか難しいですよ。ドラ1の1億って掲げてましたけど、全然遠く及ばなかったですから。ある意味では挫折ですよね。それは。こんな終わり方でいいのかな。なんか、最後はキュッとしたいよね。
== 昨年、マリナーズに戻りましたけれども、その前のマリナーズ時代、「孤独を感じながらプレーをしている」と話していました。その孤独感はずっと感じながらプレーしていたんでしょうか。それとも、前の孤独感とは違ったものがあったのでしょうか。
現在はそれはまったくないです。今日の段階でまったくないです。
それとは少し違うかもしれないですけど、アメリカに来て、メジャーリーグに来て、外国人になったこと、アメリカでは僕は外国人ですから。このことは、外国人になったことで人の心を慮ったり、人の痛みを想像したり、今までなかった自分が現れたんですよね。この体験というのは、本を読んだり、情報を取ることができたとしても、体験しないと自分の中からは生まれないので。
孤独を感じて苦しんだこと、多々ありました。ありましたけど、その体験は未来の自分にとって大きな支えになるんだろうと今は思います。だから、つらいこと、しんどいことから逃げたいというのは当然のことなんですけど、でもエネルギーのある元気のある時にそれに立ち向かっていく。そのことはすごく人として重要なことではないかと感じています。お腹すいた。しまったね、最後。
いやあ、長い時間ありがとうございました。眠いでしょう、みなさんも。じゃあ、そろそろ帰りますか。
【 END】
やっぱり、イチロ選手が大好きです❤️
P/S①
イチロ選手の苗字はなんと、鈴木だそうです。「鈴木一郎」、なんか普通のふつううって感じですよね。「鈴木一郎」は一杯いそうですが、カタカナで書く「イチロ」というのはこのイチロ選手だけですね。まさにこの名前はイチロ選手のブランドになります。
以前、イチロ選手への印象は生まれつきの(野球への)才能と賢さだと思いましたが、ある日、あるテレビ番組を見て考えが変わりました。プロ選手の裏には絶えず絶えずの努力の積み重ねの人だと分かりました。ただ野球が好きなだけでなく野球を極めたいという思いで学校では誰よりも朝から遅くまで黙々と練習する日々を送りました。(名前は普通かもしれないですけど)この人の努力さは普通ではありませんね。まさに↓の式に当てはまるものです。
成功 = 1%才能 + 99% 努力
P/S②
イチロ選手のことを思うと、いつも大学時代の一人の同級生のことを思い出してしまいます。中村くんという東大の生研に一緒にいた子です。研究室が違ったけど、学科が一緒なので、色々なイベントで一緒にやってきた。中村くんは背が高く、顔がなんとイチロ選手に良く似ていた。彼はそのことをいつも自己紹介でネタにしたのです。FBのアヴァタも自分の写真ではなく、イチロ選手の(かなり賢い)写真を載せたのだ。恐らくイチロ選手が好きで、そして自分がイチロ選手に似ていることを誇りらしく思ったようだ。
ですが、その中村くんはイチロ選手のこの引退会見を見ることができなかった。
私が就職して1年目の時、ゴールデンウイークの辺りかな、突然同じ研究室の後輩から「中村さんのFBを見てください」という連絡がきました。なんだそれ?と思ったのですが、FBで中村くんを探した。
「中村⚪︎⚪︎の父です。息子が自分の意思でこの世を絶つことを選びました。理由を知りたいので、何か心当たりがあればどうぞご連絡ください。」
との一つのつぶやきでした。
あまりにもショックでした。2ヶ月前にまだみんなで一緒に卒業写真を撮ったばっかりなのに。なんで???
自分の中に質問がいっぱい湧いてきたのですが、お父さんとご家族にはもっと混乱が一杯だったに違いない。自分の息子、ようやく東大という日本一の大学から学位をとったのに、なぜ???
落ち着いて考えたら、自分の中には中村くんの行動に少し心当たりがありました。その年、生研で卒業した同級生の中は中村くんを除き、みんなが良いところに内定をもらっていました。私のような外国人留学生でも比較的給料が良い会社に就職することができた。中村くんの研究室にはその学年で3人いましたが、残りの二人は大手会社に就職することが決まった。中村くんだけが卒業式を控えてもどの会社からも内定をもらえなかった。卒業式ではみんなでワイワイしたつもりだが、中村くんは恐らく心の奥には将来への不安、孤独感、また自分の無力感を抱いたと(今になって私が)思う。中村くんとは仲よかったと言ってもそれほど親友ではなかったことを言い訳にして、自分が中村くんの寂しさに気づこうともしませんでした(自分のことで頭が一杯でしたので、他人のことなんて考える余裕がありませんでした)。
そういう心当たりがあったにも関わらず、中村くんのお父さんに連絡する勇気がありませんでした。ただ自分の勝手な思いかもしれないから、その思いでさらにご遺族を苦しめるなんて、とてもできなかった。その晩はただただ中村くんのFBを見て、誰かがお父さんのつぶやきに書き込むのを見守っていただけでした。今思うと、その時の自分は本当に情けませんでした。。。

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